第一三共株式会社は、メディカル部門のデータ分析基盤として、「 Veeva Link Key People 」を導入しました。世界トップ製薬企業 20 社中 10 社以上が採用するこのデータプラットフォームは、論文や SNS などの幅広い公開情報に基づき、世界の KOL 数百万人に関するリアルタイム・インテリジェンスを提供。深いインサイトと顧客エンゲージメント戦略の向上を支援します。日本事業ユニット メディカルアフェアーズ本部 メディカルアフェアーズ企画部 MA 企画グループの藤元宏行様は「これまでの情報収集のプロセスが大きく変わりました」と手ごたえを語ります。導入前後で同社の業務はどう進化したのか、その活用方法と効果をご紹介します。

情報収集・資料作成では、“質とスピードの両立”が鍵
がん領域を中心に革新的な医薬品を開発し、グローバルに事業を展開する第一三共。そのメディカルアフェアーズ本部では、情報の分散が大きな課題となっていました。MR やメディカルアフェアーズ部門の担当として長年の経験をもつ藤元様も、「探し物や資料作成に時間がかかっており、情報収集・資料作成の効率化が喫緊の課題でした」と振り返ります。
この課題解決にあたって障壁となりやすいのは、“質とスピードのトレードオフ” です。通常、完成度の高いアウトプットを生み出すには時間を要し、時間をかけずに作成すれば、完成度の低下を招く傾向があります。こうした状況下で、藤元様は「今は適切なツールを使えば、資料作成において質とスピードを両立できるだけでなく、手作業では実現できないプラス α の価値を生み出すことができる時代です」とツール選択の重要性を強調します。
CHALLENGE
- 顧客情報の収集・分析
- 影響力をもつ KOL の特定
- 質とスピードの向上
SOLUTION
Veeva Link Key People
- 世界中の KOL 情報をカバー
- 日本関連データの充実
- AI Summary など継続的な機能強化
FUTURE OUTCOME
- 戦略策定につながる深いインサイトの獲得
- 顧客理解・エンゲージメントの向上
- 生成 AI も組み合わせたさらなる活用
第一三共株式会社
日本事業ユニット メディカルアフェアーズ本部
メディカルアフェアーズ企画部 MA 企画グループ 藤元 宏行 様
決め手は、治験や臨床研究を含む詳細なデータベース
Veeva Link Key People は、2021 年の日本提供開始後、2022 年に日本語 UI を実装し、日本の文献・学会の情報を拡充。その後も医療従事者のネットワークや AI Summary の表示、地図検索機能、学歴情報なども実装し、ユーザーのニーズに応じて発展し続けています。
こうした継続的な機能強化の中、第一三共がこのソリューションに注目し、採用した最大の決め手は、2023 年に追加された jRCT 情報でした。「メディカルアフェアーズ部門が最も重視するのは、医療従事者の研究活動に関する詳細な情報です。学会や論文だけでなく、治験や臨床研究の情報も欠かせないと考えていました。これが、Veeva Link 導入の後押しになりました」
手作業では不可能な情報検索・分析を実現
Veeva Link Key People の導入により、「質の高い情報を迅速に集められるようになりました」と語る藤元様。その具体的な効果や活用方法は以下の 3 点です。
1 情報探索時間の大幅な短縮
顧客情報が網羅的に統合されているため、面談前の情報確認や日々の情報収集における探索時間が大幅に短縮しました。
2 顧客リストアップの効率化
フィルター機能により、ベンダーに依頼せずとも簡単に顧客を抽出でき、コラボレーター検索機能を使えば、同じイベントに登壇した関係顧客もリスト化が可能です。
「専門領域ごとに顧客を検索できるので新規領域進出時に便利ですし、顧客同士の関わりを可視化することで講演やアドバイザリー会議の役割者選定などに役立ちます。競合の活動情報も紐づいているため、顧客理解を深めるきっかけにもなります」
3 情報集計・分析の高度化
データを Excel や CSV でエクスポートして既存の BI ツールに連携させることで、多角的な分析をスピーディーに実現できます。
藤元様は、米国の国際学会における年ごとの国別発表数の推移をわずか 15 分で可視化した事例を紹介。他にも薬剤別や疾患別、関連企業別などさまざまな切り口で迅速に分析可能とした上で、「継続的なデータ連携により、情報が自動的に更新されるので便利です」と語ります。
「どれも “調べればわかる” 公開情報です。しかし、手作業ではなかなかできない検索や分析などにより、プラス α のインサイトを得られるようになったことこそが重要なのです」とその意義を説きます。
Veeva Link × 生成 AI で進む、さらなる顧客理解
生成 AI の発展が著しい現代において、藤元様は「生成 AI との組み合わせによる Veeva Link KeyPeople のさらなる発展に期待しています」と語ります。
生成 AI がプロンプト次第では大量の情報を即座に出力できる一方、Veeva Link Key People は高頻度で更新され、構造化された情報を提供します。学会や論文に関する情報精度は特に高く、同姓同名などの混同を除けば、ハルシネーションが発生し得る生成 AI より信頼性が高いといえます。
「 Veeva Link がもつ高精度な情報と、生成 AI による想定外の視点を組み合わせることで、新たな価値を生み出せると考えています。自然言語検索や将来性のある顧客検索アルゴリズムの実装、UI・UX の進化など要望は多くありますが、近いうちに実現され、さらなる顧客理解につながると確信しています」と、今後について期待を込めました。
質の高い情報を迅速に集められるようになり、手作業では不可能だったプラス α のインサイトを獲得できるようになりました。今では顧客理解に不可欠なツールです。
※この事例は、2025 年 7 月に行われた Veeva Japan Commercial & Medical Summit での藤元様登壇のセッション内容を元に作成しました。内容はご本人の私見であり、第一三共を代表するものではありません。
※所属部署は Summit 当時のものです。


