Veeva Japan Blog

【バルセロナで2019 Veeva R&D Summit Europe開催】各社が薬事業務の変革への取り組みを発表

「スパゲッティのようにこんがらがったシステム。」GSK Pharmaceuticals社の薬事システム&サービス担当ヘッドのRichard Eddershaw氏は、バルセロナで開催された2019年Veeva R&D Summitの満席の1室で、自社の老朽化したテクノロジー環境をそのように評しました。2018年の秋より、GSK社はそうしたレガシーシステムをグローバルに展開できるエンドツーエンドで一元管理する薬事業務用プラットフォームに置き換え始めました。そして、それから6か月も経たないうちに、最初のユーザーがVeeva Vault RIMを利用し始めることになりました。またEddershaw氏は、同社がアジャイルなアプローチを導入して新しい機能を数か月ごとにリリースできるようになった経緯について語りました。このアプローチの導入により、同氏のチームがR&D事業における価値を迅速に実現できました。

Eddershaw氏のプレゼンテーションを皮切りに、薬事関連のセッションでは、GE Healthcare社、BMS社、UCB社、Norgine社から集まった多才な登壇者にご講演いただきました。日程が進むにつれ、話題は薬事業務の変革に向けて最初の一歩を踏み出す方法から、実装時に得た教訓や、RIMの成功の測定方法へと移っていきました。

GE Healthcare社のグローバル薬事業務担当ヘッドのJames Hendry氏は、同社がVault Registrations、Vault Submissions、Vault Submissions Archiveの運用を開始した頃の経験について語りました。Hendry氏は7つの重要な領域についてアドバイスを提供するとともに、初期の利用状況に関するいくつかの数字を挙げて、システムがしっかり根付いていることを示しました。また同氏はVault RIMのユーザーからのコメントも一部紹介しました。例えばあるユーザーからは「つまるところ、これは薬事記録に新風を吹き込んでくれるものだ!」というコメントが寄せられていました。

BMS社でレギュラトリーサイエンス(オーストリア)担当ヘッドのLianne Wolf氏は、プレゼンテーション形式の講演ではなく、VeevaのPaul Attridgeとのパネルディスカッションに参加しました。Wolf氏は自身の薬事チームがVault Registrationsを3段階で実装した経緯について語りました。同氏のチームが目指していたのは、あらゆる薬事・申請計画情報の「ワンストップショップ」を実現することでした。またWolf氏はBMS社がユーザーからのフィードバックをどう取り入れているか、そして機能強化の優先順位を付けるための定期的な「パルスチェック」をどう行っているかについても熱く語りました。

続いて、午後にはUCB社の薬事情報担当ディレクターのMark Morris氏も登壇し、ラベル管理に関する同社の取り組み事例として、異なる領域にわたるワークフローの完了状況、サイクルタイム、コンテンツ開発における可視性がVault RIMによっていかに向上したかについて、具体的に説明しました。結果として、UCB社は文書の管理と完成度を大幅に改善することができました。また、対象を絞ったトレーニングとプロセスの支援をシステム内のアクティビティに基づいて行えるようになりました。

この日の締めくくりには、Norgine社のパートナーサービス担当マネージャーのJade Knight氏と、薬事情報管理担当アソシエイトディレクターのSegren Bernard氏が登壇し、Vault RIMを利用したシステムプロセスの円滑化とレポーティングの合理化について語りました。また両氏は、明確なKPIやベンチマーク、支援ツールの設定を通じてパフォーマンスを最大化し、各チームが導入と改善を継続できるようにする方法についても説明しました。